これまで数多くリリースされてきたビートルズのカヴァー・アルバム。そんななかで、新たなクラシックス『リサ・ローレン・ラヴズ・ザ・ビートルズ』が登場です。’06年に発表されながら日本ではあまり知られていない本作、実は「All Music Guide」で四つ星を獲得するなど、アメリカではビートルズ・カヴァーの隠れた逸品として密かに愛されてきたアルバムなんです。リサ・ローレンはシカゴ出身のシンガー/ピアニストで、地元のジャズ・クラブで活動しながら4枚のアルバムを発表してきました。彼女の歌の魅力は、ジャズをベースにしながら、カントリーやポップス、ソウルなど、様々なジャンルの音楽をクロスオーバーしたサウンドと、ゆっくりと気持ちを解きほぐしてくれるホット・コーヒーみたいにビター・スウィートな歌声。そんな彼女の歌に惹かれて、本作にはジャズ界を代表するサックス奏者デヴィッド・サンボーンや、フォーク・シンガーのウィリー・ポーターが参加していることも見逃せません。
スティングやトリ・エイモスも絶賛するポーターのギター・プレイが光る「ラヴ・ミー・ドゥー」や、サンボーンの艶やかなサックスが映えるファンキーな「キャント・バイ・ミー・ラヴ」、リサの美しいピアノとストリングスがエレガントに溶け合う「アンド・アイ・ラヴ・ハー」など、多彩な楽器を織り込んだオーガニックなサウンドが、毛布みたいにリスナーを優しく包み込んでくれます。そんなオリジナリティ豊かなビートルズ・ナンバーの数々は、女性ヴォーカル・ファンやビートルズ・ファンはもちろん、最近ブームになっている〈女子ジャズ〉やカフェ・ミュージックとしても楽しめること間違いなし! 子供の頃にエド・サリヴァン・ショーを見てビートルズに出会った少女=リサが、やがて大人になって永遠のアイドルに綴ったラヴレター……そんな甘酸っぱい思いも詰まっていて、とろけるようにラヴリーなアルバムなんです。